FRPオス型製作について 三重県伊勢市の木型、FRP成形型は有限会社シンカイ

FRPオス型製作 面出しの重要性

オス型を製作する上で重要となる工程「面出し」

弊社が呼ぶ「面出し」とは、型表面の「ムラ」を取り除く表面処理を意味します。木型からの型製作、NC加工によるウレタン発泡切削成型、両者共どれほど精度を上げて製作した場合でも「表面のムラ」、小さな傷、凹み等が発生してしまいます。これらを弊社が長年培ってきた技術、「面出し」によってより滑らかな型表面となるよう仕上げ加工を行っていきます。

どのようにムラを認識するのか?

目視と触手で確認していく他はありません。大きなムラに関しては目視確認で対応できるため、それほど難しいことではありませんが、小さなムラになると目視では対応できません。触手確認が必須となります。小さなムラの触手確認は簡単なものではなく、一定以上の経験を積んだ職人でないと認識できないレベルになります。さらに、ムラを取り除く工程「面出し」の難易度も高くなります。

面出しのポイント

ムラを取り除く際、ムラの発生箇所に集中して削りがちになりますが、過度に削り箇所を限定してしまうとムラを取り除くどころか、反って自らが新たにムラを作り出すことになってしまいます。そのため、ムラ発生箇所を削ると同時に全体のバランスを把握することが必要となります。全体のバランスの把握に関しても小さなムラの確認と同様、触手での確認が必須となります。「ムラ取り」と「バランス把握」、これらを並行して仕上げ加工が行える1人前の職人になるまでには膨大な時間がかかります。

傷、凹みの修復方法

弊社では傷、凹みの修復としてパテを使用しております。パテの使用も平面の修復であれば特別難しいものではありませんが、R部や複雑な形状箇所の修復に関しては、基本的な方法ではなくそれぞれの形状に応じた修復方法が必要となります。使用する道具、パテの付け方や盛り方を工夫しながら、より最善となる方法を都度考えながら対応していきます。

オス型製作注意箇所

オス型表面処理をする上で、最も注意が必要な部分は凹R部になります。凹Rの表面処理では、R部分を削る最中に凹R周辺の形状変更を発生させてしまう恐れがあるため、凹Rと凹R周辺形状の双方に注意を払いながら削りを行っていかなければなりません。特に新人職人は凹Rの削り技術を習得するのに非常に苦労します。凹Rといっても5R~数十RとRの大きさも形状によって異なるため、それぞれのRサイズに沿った削り技術が求められます。この凹Rの加工技術感覚が身についてくると、オス型磨き職人として1人前の職人と認められるレベルに大きく近づくことができるようになります。